千石の独り言温泉の部屋孫六温泉

 


みちのく秘湯シリーズ ・・・ 乳頭温泉郷   第7回 「孫六温泉


5月14日()

  さて 明日こそ黒鯛釣り・・・と思っていたら、土曜日は激しい雨の上に風も強い  ^^;
『嗚呼、これで水温が下がる・・・』
  ちなみに次の日の日曜日の午前の天気予報は曇りで波1m。
とりあえず冷凍のエサを融かさないで眠りに着く。

 日曜日の未明に目を覚ますと、外は雨の上に強風。
これは天気予報が外れたとしか考えられない。
  しょうがないので、もう一眠りして乳頭温泉郷へ行くことへ決定。

  午前中は家の掃除等をしたため、11:40頃自宅を出発。
風は相変わらず強かったが、雨は上がって晴れ間も見えてきた。
『釣りに行けたかな・・・?』などと思いながら、車を走らせる。

  途中前回も寄った十割蕎麦屋「そば五郎」で更科蕎麦を食す。

蕎麦屋の店内

  ちなみにこの蕎麦屋は「乳頭温泉郷」に上って行く途中にある「水沢温泉郷」の「駒ケ岳温泉」という旅館の中にある。
日帰り入浴(400円)も出来るので、機会があったら入りたいところ。
  しかし今日は乳頭温泉郷で残り1つの湯「孫六温泉」が目的。
時刻も14:00近くであったので、急いで車を走らせる。

乳頭温泉郷

  さて前回同様に「国民休暇村」から細い道へと入り、黒湯温泉の駐車場へと着いた。
ネットで調べた所では、車をここへとめて5分ほど歩かないといけないはずである。

  奥へと歩いていくと、坂の下に(思ったより近くに)孫六温泉が見えてきた。

  先達川に架かる橋を渡って近づくと、いかにも年代物のボロい建物の集合体である。
しかしそれが またたまらなかったりする。

駐車場から下りる坂から見た孫六温泉 赤い丸内が温泉の2つの建物

  事務所の受付で入浴料400円を無愛想なオヤジに払って、川沿いの建物へ。
温泉は川沿いの一箇所にかたまっている様だ。

  温泉の建物は2棟。
まずは手前の「唐子
(からこ)の湯」の建物へ。

唐子の湯」の入り口 唐子の湯

  狭い入り口を入ると右側が女湯・左側が男湯。
恐ろしく狭くて粗末な脱衣所で服を脱ぐと、戸を開けて中へ。

  中は恐ろしくシンプルである。・・・ 湯船と洗い場のみ。
洗い場はかなり昔にコンクリートを打ったものである。
湯船は穴を四角に掘って固めて、底に板を沈めているだけである。
壁は板張りで、窓と出入り口しか無い。
  もちろんシャワーどころか蛇口も無い。
湯は塩ビパイプで直接湯船の中へとひかれている。

  他に誰も入っていなかったので、すかさずデジカメで画像を確保。

  さて、早速湯船に入ってみる。
湯船の中の端にコンクリートブロックを沈めて段にしているところが泣ける。

  湯は透明で匂いがしない。
「川の水を沸かしました」と嘘をつかれても、信じてしまいそうになるくらい・・・
すぐ近くの「黒湯温泉」が白濁して硫黄の匂いがプンプンするのと対照的である。
湯加減は熱くなくちょうど良かった。

 

  次はすぐ傍にある「石の湯」の建物へ。
この日は客がほとんどいなかったので裸で行きたかったが、
さすがに服を着て一度外に出る。

  「石の湯」の建物に入ると、正面が「石の湯(内湯)」への戸。
右手がオープンで狭い男子脱衣スペース。
左手が女性専用風呂への扉。

  オープンな脱衣スペースで裸になり、「石の湯」への引き戸を開ける。
  すると誰も入っていない。
すかさずデジカメで画像を確保。

  扉を開けて4段くらいの階段を下りると、左側に大きな石がデ〜ンとある。
それ以外は基本的には「唐子の湯」と同様である。
  天井付近に蜘蛛の巣がかかっているのが、また泣ける。
悪い意味で言っているのではない、刺激があると言っているのだ。

  「唐子の湯」と同じく透明で無臭の湯に入ろうとすると
・・・『あ・熱い  ^^;』
  がんばって入ろうとするが、熱くて足先をつけるのが精一杯である。
「石の湯」はあきらめる事にした。

  入ってきたのとは反対方向の扉から外へ。
そこは露天風呂。

   左程大きくない露天風呂が2つある。
東屋風の屋根など掛かっていない。
自然剥き出しの露天風呂である。
  さすがに他の客が2人いたので、画像は確保できなかった。
  ・・・とは言え、ここは外から丸見えと言って良いほどオープンな所である。
風呂から上がって外に出たら何気なく画像を確保することにしよう・・・

石の湯」の入り口 「石の湯」 「石の湯」の外の露天風呂2箇所(矢印)

  さて、手前の露天風呂から入る。
今度は湯加減がちょうど良い。
  湯質はやはり「唐子の湯」と変わらない。
ただ僅かに緑色に感じる・・・どうやらわずかに含まれる藻のせいのようだ。

  露天風呂の底には板が敷いていない。
昔に打ったコンクリートと石なので、ザラザラしていてお尻が痛い。
しかし先達川がすぐそこを流れているので、せせらぎの音が良い感じである。
  上を見ると残雪の山々に囲まれているのが、実感できる。
さらに上を見ると低い雲が流れている。

『いやいや、なんか渓流釣りに来たようだよ。それなのに風呂に入っているのが不思議に感じられるよ・・・』

  ゆったりと入った後に、すぐ傍の2つ目の露天風呂へと移る。
すると、ここも同じような湯質。
しかもぬる目である。

  ちなみに源泉は4つあるはずだが、違いがイマイチ違いが判らなかった ^^;

  そこで『源泉はどのように引かれているのであろう?』と辺りを観察してみると ・・・ 気付いた。
「石の湯」の湯がパイプで(先程入った)1つ目の露天風呂に流れ、そこから更にパイプでここ(2つ目の露天風呂)に流れて来ているだ。

  『なるほど、ここの露天風呂は「石の湯」(の源泉を)を回したものなのね ・・・ 』

  そこで『隣の女性専用風呂は異なった源泉のはずだが、(ちなみにHPでは白っぽいそうだが・・・)どんな湯質なのかな〜?』などと考えたりする。
  源泉が4つもあるのに、なんか今まで入ったお風呂はそれ程に違いが感じられなかったので ・・・


  ちなみに、4〜5歩も歩くとそこはもう「先達川」である。
膝の高さ位の石垣がある為に湯
(2つ目の露天風呂)に浸かりながらは見えないが、立ち上がると岩魚が居そうな渓流が見える。

  『竿があれば・・・裸で渓流釣りが出来るぞ ^^』 ・・・ 等と 馬鹿な事を考える。

  更に川沿いの奥には「打たせ湯」の小屋があったが、湯が流れていない。
全くの手抜きである ・・・

 

  再び最初の露天風呂に戻り、のんびりする。

  のぼせたからといって外気で身体を冷ましても、再び湯に1分も浸かっていられない。
・・・(温泉で芯まで温まっているから)外気でちょっと冷ましたくらいは、すぐに熱くなってしまうのだ。

  だから湯から出たり入ったりを 小まめに繰り返す。

  ボー と山々を見つめながら、『紅葉の頃きれいだろうな・・・』と思う。
そんなひと時を味わえるのは、此処が計算された空間では無いからかもしれない。

  『何もありません ・・・  。ただこんな空間が存在するだけです』と、囁き掛けてくれているからかもしれない。
 


  風呂から上がって、服に着替える。
外に出て露天風呂の画像を確保した。

 

  帰る途中に事務所付近で沢水の飲み場があった。
温泉で汗をかいた後なので、頂いてみる。
  すると非常にあっさりとしていて、とてもうまい。
この水で珈琲を沸かしたり、水割りでウィスキーを飲みたいところである。

冷たくておいしかった沢水

 

  のんびりと駐車場へと向かう坂道を登る。

  孫六温泉は「黒湯温泉」の駐車場から更に奥まった所にあるので、人気ひとけの少ない秘湯であった。
客に媚らず、新たな設備投資もしていない。
  その分 昭和初期のノスタルジーに浸れる所であったw   (まだ生まれていないが・・・^^:)

  乳頭温泉郷はこれで制覇してしまった ・・・
『また来よう』 とは思うが、ちょっと寂しい様な千石であった。

 

乳頭温泉郷はこれで全部入ってしまいました。
「おっ、懐かしいよ・・・」と思った方もおられると思います。
これから乳頭温泉郷以外の秘湯にも行こうと思っていますが、しばらくはお休みです。
長らく観て頂いて ありがとうございました  m(._.)m



inserted by FC2 system