後生掛温泉のホームページ http://www.goshougake.co.jp/
車を停めて「後生掛温泉」の建物正面へ向かうと、大浴場(外来入浴者)は右の坂を下りてくださいという案内看板がある。
そこで正面右の坂を下りていくと、「湯治部」の棟がある。
この「湯治部」の玄関を入ると、入浴券を売る窓口がある。
そこで400円で入浴券を買う。
そして奥へ進むと、そこは湯治客の宿泊棟のようである。
そこを抜けると再び外へ出た。
宿泊等の奥に別棟で温泉があった。
|
|
後生掛温泉正面右側の下り坂 |
下り坂 ・・・ 奥が湯治棟 |
|
|
湯治部のエントランス |
温泉棟の入り口 |
温泉棟の玄関に靴を脱いで入る。
廊下をちょっと歩くと男湯と女湯の入り口がある。
男湯に入る。
すると一般的な脱衣所がある ・・・ 狭くは無い。
お客さんが多くいるので、デジカメで映像を確保するような雰囲気ではない。
大人しく服を脱いで風呂に浸かる事にする。
コインロッカー(\100)を使うまでも無いので、脱衣籠にデジカメを隠すように入れて風呂へ突入。
中に入ると、雰囲気的には「玉川温泉」とよく似ている。
湯治場の温泉らしく色々な湯船がある。
四方八方 木で囲まれているのも、「玉川温泉」を髣髴させる。
しかし「玉川温泉」ほど広くは無い。
|
|
後生掛温泉大浴場(HPより抜粋) |
火山風呂から入り口を望む(HPより抜粋)。手前が火山風呂。奥が神恵痛の湯。 |
まずは「かけ湯」をしようとするが、何と掛け湯が空っぽ状態 ・・・ 全くを持って怠慢である。
『まあ、いいや・・・』という事で、「神恵痛(神経痛???)の湯」へ入る。
入浴券には「神恵痛」と書いているが、HPには「神経痛」と書いている。
どっちが正しいのだろうか・・・
お湯は濃い銀色 ・・・ 後生掛温泉は「酸性単純硫黄泉」なのだが、不思議と硫黄臭は感じない。
案外あっさりしたお湯である。
『ph5.7の酸性の湯なので舐めてみると(玉川温泉のように)酸っぱいのかな?』と思いお湯を舐めてみるが、別に酸っぱくは無い。
『玉川温泉はph1.2の強酸性だからね〜』
それでもお湯に浸かっていると、若干肌に刺激を感じるようになる。
『成る程、効きそうな湯かもしれない・・・』と思いつつ、「泥風呂」へ向かう。
この「泥風呂」の泥は、八幡平という湿地帯の泥炭層の泥が温泉と共に出てきたものっぽい(自信は無いが・・・)。
ちなみに「泥火山」という名所も近くにある。
泥の色は黒い ・・・ だから当然お湯も黒い。
湯船の底には泥が薄く積もっている感触がある。
|
泥湯(HPより抜粋) |
お湯の中で手を動かしてみると、泥がモクモクと湧き出す。
何か小学校の時の図画の時間で、水彩絵具の筆を洗っていたバケツを思い出す ・・・
最初は薄っすらと綺麗な色のバケツの水が、最後の最後には色々な絵の具で真っ黒になってしまった状態と瓜二つである。
ちなみにこの「泥湯」に入って、肌がスベスベになったのは事実である。
『ふむふむ、エステには行った事は無いが・・・これで泥エステの効能が証明されたようなものだよ・・・』などと思ったりもする。
まあ『うさん臭いエステに高額の金額を出すよりはこの温泉に通いましょう』と言いたい所だが、場所が場所だけに時間と費用がかえって掛かってしまうか
・・・ ^^;
余談だが外との壁(湯面のちょっと上)に小さめの窓がある。
とあるHPによると、此処からドバドバッと泥を補充するらしい。
・・・ しかしこの「泥湯」は湯船が狭い。
大人2人より多く入ると向かい側の人と肌(特に足が)が触れ合ってしまう。
おかげで3人目が入ってくると、ついつい遠慮して先に入っていた人が上がらないといけない。
・・・ と言うことで、3人目が入って来た。
彼は千石の前に陣を取ったので、案の定 足が触れ合ってしまう。
『女性とならば良いが、野郎とのスキンシップは御免だよ ・・・ 』
そこで千石は泥湯からすごすごと上がった。
身体に黒い泥が付いているので、隣の「滝湯」(打たせ湯)で泥を洗い流す事にした。
3つある「滝湯」は、それぞれ微妙に湯量が違うので、お湯によるマッサージ効果(=落下エネルギー)が異なるようである。
千石は何も考えずに一番手前の「滝湯」をチョイス。
ちなみに湯量の多そうな所であった。
お湯を首筋に当てると、脳までゴゴゴッ〜と振動する。
『う〜ん、効くよ ^^』と思いつつも、最初は良かったが ・・・ 後には効き過ぎるので早めに退散。
もうちょっと湯量の少ない「滝湯」をチョイスすれば良かった ・・・
『う〜ん、次は何処にしようかな?』と辺りを見回す。
すると最初に目に入った「火山風呂」(天然の蒸気を使ったバブルバス)には結構人が入っているので、とりあえずパス。
そこで「露天風呂」に行く事にする。
この「露天風呂」はHPで調べた所によると、「取って付けた様な・・・」とか「無い方が良い」などという批評があった。
さて、入ってみると、 ・・・ 露天風呂から見える景色は山の斜面だけ。
露天風呂から見える開放的な空間は皆無 ^^;
とても閉鎖的な空間の露天風呂である。
『成る程、これではただ露天というだけだよ ・・・ 我々は露天という文字に遥かなる天然なる空間を求めているのだよ
・・・ 』
露天風呂には身体を温め頭を冷やすという「頭寒足熱」の合理性がある。
でもそれだけではあまりに面白くない。
単なる「風呂」という限られた空間を解き放つ開放感 ・・・ それが露天の醍醐味でなかろうか?
ここは身を健康にしてくれる湯治場の温泉だけに、ついでに心も朗らかにする広々とした景観が欲しかった
・・・
残念である。
次は「箱蒸し風呂」へ入る。
これは頭だけ箱から出すサウナである。
前回の「玉川温泉」でも入ったが、頭は熱せられないのでとても快適であった。
|
HPより抜粋 |
しかし今回の後生掛温泉の「箱蒸し風呂」は首を出す穴が大きくて、何か頭の方まで熱気が来る ・・・
おかげで頭までちょっと熱くなってしまう感じがする。
『う〜ん、ちょっと穴が大きすぎ・・・』 と思いつつ汗を流す。
「箱蒸し風呂」から上がって、「毛せん峠の清水」を飲む。
この温泉には至る所に”焼山”の「毛せん峠」から引いた水が飲めるようになっている。
それが大浴場の中で飲めるのも有難い事である。
あっさりとしていて非常においしい。
全身自然の蒸気によって汗をかける「サウナ風呂」もあるが、最近シャワーばかりの千石はすぐにのぼせてしまいそうなのでパスする事にした。
ひとまず脱衣所に行って、火照った身体を冷ます。
時計を見ると、まだ風呂に入ってから30分たっていない。
ゆっくり身体を冷ましてから、のんびり風呂に浸かりなおしたい所だが、
今日も夕方まで帰らないといけないのでそうもしてられない。
『さっと もうひとっ風呂浴びて、帰らなくては・・・ 』
慌ただしく浴場に戻る。
さて、「火山風呂」(天然の蒸気を使ったバブルバス)が空いていたので入る。
天然の蒸気を使っていると言っても ・・・ まあ、ただのバブルバスである。
特別の蒸気どうのこうのという物は感じられなかった。
これで一通り(サウナ風呂以外)風呂に入った事になる。
感想としては、湯治場だけあって健康に良い湯であるのは間違いないが、湯質・規模において「玉川温泉」には敵わないかな・・・という感じだ。
誤解を招くといけないので付記しておくが、「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」と言うくらい、効能があるという実感は間違いない。
ただ前回の「玉川温泉」の湯があまりにも強烈(ph1.2の強酸性)であった。
水で薄めて飲んでも濃いレモン水の酸っぱい味で歯の表面が柔らかくなってしまう・・・というのは、全くを持って驚きである。
それに比べてしまったので、このような表現をとらないといけなくなってしまったのだ。
それでもこの「後生掛温泉」の源泉地帯の豪快さ、泥湯に使われる「泥火山」の泥(たぶん)のエステ効果は特筆に価する。
もちろん湯質も素晴らしい。
その点は誤解が無いようにお願いする。
最後にもう一度「泥湯」と「神恵痛の湯」に入って、脱衣所へ。
服を着て外へと出た。
来る時は下った坂道を今度は登ると、「後生掛温泉」の正面へと出た。
その正面にある売店で、名物の「黒たまご」を買う(たしか1個60円だったか?) ・・・ とりあえず味見で1個だけ。
車まで戻ってから食べてみる。
|
「黒たまご」。 確かに黒い・・・ |
嗚呼 ・・・ 色は「黒たまご」と言うだけあって、真っ黒である。
「泥湯」で目の当たりにした”黒い温泉の泥”の成分が染み渡っているのがわかる。
殻を割ろうとするが、妙に硬い。
これも温泉の泥による化学変化のためであろうか?
そして付属の塩を付けて食す ・・・ すると妙に旨い。
卵のシロミに温泉の硫黄臭さが染みていて ・・・ それが何故か美味しいのである。
まあ腹が減っているせいもあるかもしれないが ・・・
そこで家族へのお土産に「黒たまご」を3個再購入。
午後1時過ぎに、家へと車を走らせる千石であった。