千石の独り言温泉の部屋駒ケ岳温泉その2


みちのく秘湯シリーズ その3・・・ 水沢温泉郷〜田沢湖高原温泉   第2回 「駒ケ岳温泉」 その2
 


4月8日()

   

  さて、前回も伝えたとおり「田沢湖スキー場」は「水沢温泉郷」の中にある。
だから「駒ケ岳温泉
(旧・ももしろ荘)」は、スキー場のすぐ近くにある。

  前にも述べたが、この水沢温泉はスキー場を有しているだけあって、”秘湯”ではない
結構 開発された温泉である   ・・・ と言っても、「秋田の山奥にしては」という事だが ^^:

  だからと言って温泉の湯質に関しては「乳頭温泉郷」に負けてはいない。
”源泉掛け流し”の上に、温度調整のための水をほとんど加えられていない。
  源泉湧出口からパイプを通るうちに、ちょうど良い温度になっているのだ。
酒で言うと”原酒”みたいなものである。 

  午前11:26に、「駒ケ岳温泉」に到着。
玄関にある券売機で入浴券
(400円)を買う。
フロントに券を渡すと、風呂場へGO。

  脱衣所は結構平凡だ。
広くも無く・狭くも無く  ・・・ アメニティも最低限である
(”アメニティ”と言う言葉が出る事自体・・・”秘湯”で無い)

  服を脱ぐと、風呂場へと入った。
中は大き目の内湯が1つデ〜ンとあるだけ。
あとはシャワー・水道・シャンプー類のある「洗い場」と 「打たせ湯」が1つ ・・・ 。

駒ケ岳温泉 風呂場 (駒ケ岳温泉のHPより抜粋)

  『結構シンプルやの〜。下町の小さな銭湯に近いものがあるよ・・・』

  湯船が一つというのは非常に残念である。
せめて露天風呂であって欲しかった ・・・
鉄筋コンクリートの建物というのはただでさえ趣が無いので、何かしらの工夫をしてもらいたいものである。
 

  『 さて、スキーの汗を流すぞ ・・・  汗かく程 滑ってないが ^^:  ・・・  湯船に入ってみる。

  『おおっ、この南国の海を思わせる水色の湯は前回の「露天風呂 水沢温泉」を思出だせてくれるよ。
此処は硫黄分が結晶して小さい ”湯の花”になっているね』

  底に薄っすらと湯の花が溜まっている。
 

  この辺(一帯)の温泉は硫黄泉が基本なので当然硫黄分が濃いであろうが、既に鼻が慣れてしまっている。
だからそれ程硫黄臭は感じない。

  お湯はそれ程熱くはないのだが、エネルギーを蓄えている感じで芯まで温まる。

  湯口から流れ出るお湯の量は非常に豊富である。
ちなみに横に置いているコップで温泉を飲んでみると、当然ながら特別旨いものではなかった。

 

  程なく芯まで温まったので、湯船からあがって「打たせ湯」へ。
頭や背中に湯を当てて、マッサージ効果を狙った。
落ちてくる湯量がちょうど良いので気持ちか良かった。

  そして洗い場へ行って、備え付けのシャンプー類で身体を洗った。
 

  洗い場にシャワーや蛇口やシャンプー類があること自体 ・・・ やはり”秘湯”ではない。
  手付かずの自然の中にあって その自然を上手に工夫して利用する知恵が”秘湯”だと思っている。
・・・ つまりは自然との共存である。
  一方人工的なもので外界を遮断するのが、今風の温泉である。
つまりは自然と別離し、人間にとって都合の良い空間を作るのである。
  ただし、この人間にとって都合の良い空間と言うのはあくまでフィジカルな面であって、必ずしもメンタルな面ではどうかは疑問である。
  メンタルな部分(癒し)を考えると、何かしら自然を上手に取り入れる工夫という物が必要となってくる。
人間も幾年月をかけて自然の中で進化してきたものであるから ・・・

 

  やがて身体も洗い終わって、再び湯船へ入った。

  ここで驚くべき事に・・・再び湯船に入って1分もしないうちに茹で上がって湯船から退散してしまった。
湯の温度はそれ程高くは無いのだが ・・・。
  つまりは身体を洗っていた間も、ずっと身体の芯まで温まった状態が持続していて冷えなかったのである。
だから再び湯に入った途端、いきなり骨まで暖められた感じで・・・一気にのぼせ上がってしまった感じである。

  驚くべき温泉の熱パワーである。
まさか1分も入ってられないとは・・・

  普通のお湯とこの温泉との差は、いったい何なのであろうか?
科学的検証は色々とあるであろうが、「地球の熱い息吹が通っているからだよ!」と言った方が適切のような気がする。
これも偉大なる自然の恩恵である・・・

 

  さて、温泉に入ったし、あとは飯である。
今回も帰り道で”みちのくの小京都・角館”で蕎麦でも食おうと思っている。

 

  田沢湖スキー場から国道46号線を角館方面へ向かっていると、”水芭蕉群生地”がある。
ちょうど水芭蕉の季節なのでちょっと寄ってみる。

  すると駐車場に出店が出ていて、その中に旨そうな「岩魚の串焼き」が売っているではないか。
ひとつ買おうとすると、焼いていた親父が
  「一寸待ってくれ。もうちょっと焼かないと中がふっくらしない・・・」
とのたまふ。

  そこで焼き上がるまで待っている間、「串こんにゃく」(100円)を頼む。
ちなみに千石は、こんにゃくが大好きである。

  こんにゃくを食べながら岩魚を焼いているのを見ていると、親父はさすが川魚を焼くのに慣れている。
海の魚と火加減が違うのだ ・・・ 遠火でじっくりが川魚を焼く基本である。
これは味も期待できそうだな・・・と思っていると、ようやく魚が焼けた。

水芭蕉群生地
・・・今年はちょっと先っぽが茶色くなっている。
岩魚の串焼き

  串を直接渡されると、魚をガブリ ☆!
予想していた通り、旨い。
これで500円とは安い ・・・ !

  『天然物を自分で釣れよ〜』 という心の声がチラリと聞こえた。
 

  さて角館に着いた。
  「かねに角館蕎麦」へ入ってみると、客席から蕎麦を打つ厨房を見ることが出来る。
”自家製粉”をうたっているだけあって、奥の方に製粉機がドーンとある。
壁に納められているデカイ麺棒が「いかにも手打ちです」と物語っている。

  田舎蕎麦(700円)を注文。
やがて出てきた蕎麦を見ると、1本1本が太い。
蕎麦を良く見ると蕎麦の外皮の黒い部分が非常に細かい・・・目で分からないくらいだ。
非常に細かく挽いているのが分かる。
だから腰が強い・・・おまけに麺が太いので、すするというより食べる感じである。
味的には、まあまあ。もうちょっと、蕎麦の香りが欲しかったかな?

わざと狙って太い麺にしている・・・”食べる”という感じだ そば餡蜜
味はまあまあ・・・量的にもちょっとしたデザートに良い

デザートの「そば餡蜜あんみつ(300円)が出てきた。
もっちりした杏仁豆腐に餡蜜がかかっている感じ。
・・・まあ悪くは無かった。

  全体的評価は”普通”という所か・・・
やはり蕎麦は”食べる”でなくて”啜り”たいものである。

  さて、家に着いたが、疲労が凄い。
いくら温泉に入ったと言えども、やはり寝不足にロングドライブは良くないようである。
そう言えば、スキーもしたっけ ・・・

  夕飯を作って食うと、一時 死んだように寝てしまう千石であった。



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